9人が本棚に入れています
本棚に追加
/172ページ
Beginning
また、明朝になる━━
この地球が誕生した時も、
水棲生物が陸に上がった時も、
恐竜が繁栄と絶滅をした時も、
人類の祖先が二本の脚で歩いた時も、
いつも同じ太陽が昇ってきた。
果てしない刻の流れの中でどれほどの出来事が起きたのか。
「もし、タイムマシンがあったなら」と誰もが思い馳せただろう。
歴史を紡いだ時間を見聞きすることができるのだから憧れは留まらない。
だが、こんな子供じみた夢物語は二十一世紀の科学技術をもってしても未だ実現に至ってはいない。
過去は過去のまま、彼方の年月を目にすることはできず。未来もまた然り。まだ見ぬ自分の行く末を、起こり得る事柄を予知することは不可能と言っていい。
仮に未来がわかるとしたら、それは幸福だろうか。絶望の運命を辿ると知ってしまったら、それを受け入れてしまうのだろうか。それとも。
兎にも角にも。さぁ、新しい今日が来た。
最初のコメントを投稿しよう!