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「ありがとね!ダルギオン。ナイスタイミングだったわ!」
『ナニ、アヤツトノ再戦ニ来タダケダ。存外騒ガシイノデ静カニナッテモラッタガナ。』
「ちょっと!?私が先だからね!これだけは譲れないわよ!」
まるで旧友のように話ながら戦うディアナとダルギオンを見て、騎士団長も礼を言おうと駆け抜けながら声を掛ける。
「助かったぜ!ダルギオン!一段落したらまた闘ろうぜ!」
「って、ちょっ!こらぁ!!私が先でしょうがーーーっ!」
憤慨しながら後を追って行ったディアナを、ダルギオンは目を細くして見る。
これは拳一発では済まされないな、と驚きと呆れ顔のフィアナがしんがりを務める。
部隊との合流も間に合い、ここから反撃に転じてゆく。
この戦いに終止符を打ち、彼との再戦を果たすのだ、と両の拳に炎を込める。
今一度、この炎に誓おう。
1つ…貴族の名を捨て拳士として腕を磨く……まだまだ強くなるわよ!
1つ…自分を負かした剣士と再戦を果たす……一度なんて言わない、何度でも戦うわ!
ぐっと固めた拳の中で、その誓いから1つの結晶が生まれた。
10章 炎の誓い
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