reunion

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1 「オマエら、コースケをなめてっと、痛い目に合うぞ。なんたってこのオレが殺されかけたんだからな!」 僕の隣で、勝手に僕を強くみせようと頑張っている少年がいる。 ありがた迷惑だ。 そんな事を言って、喧嘩でも売られたらどうするんだと言いたかったが、彼から返ってくる答えは大体予想がつく。 「オレがコースケを守ってやるから」 そんなこと、自分の彼女に言えばいいのにというような台詞を、彼は一週間に二回は僕に言ってくるのだ。 「タイスケをボコボコにするなんて、後藤さんすげえっす。おれにもその秘訣、教えてください!」 タイスケの狂言(事実だと言われればそうなんだけど)に騙されて、僕の目の前にいる少年達の中の一人が目を輝かせる。 僕はどうするとも言えず、ただ苦笑した。 僕の名前は、後藤康介。市内の高校に通う、十六歳。僕は、ただでさえ少ない友達を亡くした。学校の近くにある公園に面した道路で、殺されたのだ。 それからいろいろあって、犯人は僕達が見つけだしたのだけれど(と言うより、あちらから来てくれた)、その時にタイスケを犯人だと勘違いして、大怪我をさせてしまったのは、つい二ヶ月ほど前の事だ。     
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