66人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ
指紋消失の危機
おしりの下から少しの震動が感じられた。
でもこの程度では亜実花は起きなかった。
震動は更に大きくなって、うねりになってきた。まるで台風の中、太平洋の真ん中を小舟で漂流しているかのように。
柱や屋根がギシギシ音をたて始めた。食器がガチャガチャ鳴り始めた。
ここでやっと亜実花は目を覚ました。
「地震!?」
亜実花は急いでコタツに頭を突っ込んだ。布団の横には食器棚がある。もし倒れてきたら怪我をしてしまう。
地震はなかなかおさまらなかった。
恐怖を感じながらも、亜実花はじっとしているしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!