指紋消失の危機

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指紋消失の危機

 おしりの下から少しの震動が感じられた。  でもこの程度では亜実花は起きなかった。  震動は更に大きくなって、うねりになってきた。まるで台風の中、太平洋の真ん中を小舟で漂流しているかのように。  柱や屋根がギシギシ音をたて始めた。食器がガチャガチャ鳴り始めた。  ここでやっと亜実花は目を覚ました。 「地震!?」  亜実花は急いでコタツに頭を突っ込んだ。布団の横には食器棚がある。もし倒れてきたら怪我をしてしまう。  地震はなかなかおさまらなかった。  恐怖を感じながらも、亜実花はじっとしているしかなかった。
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