真夏の退廃

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「・・・・そうだな・・・・なにを、しようか・・・・」 言いながら、透の額がオレの額にこつんとぶつかる。 体温が、ほんの少し上がる。 「・・・・まずは、シャワー・・・・そのあとは・・・・バスルームでも、リビングでも、ベッドでも・・・・もしくは、・・・・そのすべてでも・・・・」 ふいにオレの視界がチョコレート色に覆われ、濡れた舌先がオレの唇をひかえめにくすぐる。 慣れない仕草を装って、オレをからめとる。 濡れた手のまま透を抱き寄せる。 静寂に包まれたのは束の間、遠くから蝉時雨が聞こえはじめた。 END
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