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賢吾は顔が熱くなるのを感じてその場にうずくまった。
―透と同じことを考えている。
そのことがうれしくもあるし、ひどく恥ずかしい。
ほんの1時間ほど前に透から、先にベッドルームへ行くよう促されたことを思い出す。
カードをツリーに飾るためだったのかと知った途端、透がかわいくてかわいくて仕方なくなる。
賢吾は立ち上がり、持っていたカードを赤いカードの隣に飾る。
青い雪の結晶があしらわれたカードだ。
少し離れて、最高のオーナメントでデコレートされたクリスマスツリーを眺める。
今となってはこのカードが映えるように金銀の色合いにしたのかと思うほどだ。
今度は胸が熱くなってくる。
明日の朝、このカードを見た透はどんな風に驚くだろう。
透はどんな顔をして、オレのカードを読むだろう。
透はどんなことをオレ宛のカードに書いてくれたのだろう。
カードをいつ読もうかと考える。
クリスマスの朝か、夜か。
いや、透が読みたい時でいい。
どちらにせよ夜には透を抱きしめて、この想いを伝えるのだから。
END
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