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 それからは、廣田も知ってのとおり、ふたりは付き合いはじめた。  二学期がはじまった九月頭に汐崎君のほうから告白して、それから一ヵ月。  そろそろ慣れてきたかなと思いきや、まだまだわたしたちの手助けが必要なくらい、ぎこちないふたりだけれど。それがかえって、お互いを想う気持ちの大きさを物語っている。 「……質問の答えだけど」 「うん」 「俺は応援できなかったよ」  廣田の答えに、一拍遅れて「……そっかぁ」とだけ返事をする。  ということは、汐崎君の親友の目から見たわたしは、箸にも棒にもかからない存在だったということなんだろう。彼の親友である廣田が〝応援できなかった〟と言うくらいだから、廣田はきっと相当、無謀な相手に恋をしていると思っていたに違いない。  でも、しょうがないじゃない。恋は突然降ってくる、なんてよく聞くけれど、本当にそうだったんだから。  しかも汐崎君は、生まれて初めて胸がときめいた男子。些細なことがかわいくて、かっこよくて、初めて知った恋のドキドキに、毎日胸が躍っていたんだから。  これが恋じゃなくてなんだというんだろう。それとも、勘違いしていただけ?
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