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「それはな・・・『想像こそが創造なり』ということじゃ。それすなわち・・・
イマジネイチョン!!!」
「・・・イマジ、ネイチョン・・・?」
開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。此の期に及んで、ふざけているつもりなのだろうか。もし、彼が日本を代表する大文豪でなければ、殴り倒しているところだ。
「イマジネイチョンじゃよ、若人よ。想像力は無限大だ。天国ジパングを形作っているものは、ここに生きとし生けるもの、といってもまあ死者の集まりなんだけどな。」
「そういうことはいいですから。」
「あ、ああすまんな。そろそろ結論に行かんとな、これ以上カエサル様とポンペイウス様をお待たせするわけにはいかないからな。つまりじゃな、お前さんの想像力次第では、精霊をも打ち破ることができるというわけじゃ。」
「なるほど・・・そうか!天国という世界では、死んだ者たちの思念と魂は同義に等しい存在で、それらが幾重にも折り重なってできた場所が天国なのだから、想像したことがそのまま具現化されるというわけですね!」
俺の中で合点がいった。天国とはそういう構造をしているのだ。
「んーーー、まあ大体そういうことじゃな。とにかく、お前さんの若々しいイマジネイチョンで御二人を破ってみることじゃな。」
イマジネイチョンというネーミングには今ひとつ納得していないが、活路を見出した俺は揺るぎない自信を携えて、カエサルとポンペイウスの方へとゆっくりと歩き出した。
子供の頃夢見た、あのヒーローを思い浮かべながら。
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