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「・・ふぅ・・。」
やっと一息つける。戦いが終わった安心感から、全身から力が抜け俺はしばらくその場から動くことができなかった。
「どうなることかと思ったぞ。あちゃー失敗した、こいつには素質が微塵も感じられんわい、とずっと思っておったんじゃが、最後の最後に上手いこと行ったな。」
漱石さんは朗らかな笑顔を見せているが、俺はそういう気分にはまだなれない。
「さて、いよいよジパングに入るとするかの。案内したいところが山ほどあるからのう。」
「あの・・・」
「なんじゃ?」
「天国の新しい住人は皆、必ずここで戦うんですか?それとも俺だけ・・・?」
「いや、全員ではないぞ。」
「じゃあ、なんで俺は・・・」
「ジパングの国王がマルコ様になってからじゃのう。他の国ではこういうような入国試験は行ってはおらんらしい。」
国王であるマルコ=ポーロの思惑は一体なんなのだろうか。イマジネイチョンを使いこなすことのできる、いわば精鋭(?)だけを集めた軍事国家でも作ろうとしているのだろうか。
「よし、じゃあまずは城に行くぞ。国王様に謁見するぞ。」
「・・・・・・え?謁見って・・・」
「ところで、まだお前さんの名前を聞いとらんかったな。」
「あ・・・その・・・・はぁ・・・・『大和飛鳥(やまとあすか)』です。」
「なんじゃ、ものっすごい仰々しい名前じゃのう。歴史が得意そうな名前じゃな。」
「はは・・小さい頃からよく言われてきました。」
そう、俺の名前は大和飛鳥。以後お見知り置きを。
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