第7章 「謁見」

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   ジパングの正面ゲートをくぐると樹齢千年はあろうかという巨大な松の木がそびえ立つ「黄金広場」に辿り着く。広場から伸びる3本の大通りは趣の異なる3つの街につながっている。  西の大通り『明治通り』を進んだ先に広がるのは、工芸品と職人の街『室町』  東の大通り『神風通り』を進んだ先に広がるのは、文明開化の花開く西洋の街『ビィドロ』  そして、中央の大通り『朱雀通り』の先に広がるのは、商売と美食の城下街『なにわ吟醸』  さらに、これら3つの中心街の周辺にはジパングの住人達の食料を賄うための大農園・大牧場がその規格外の雄大な敷地を誇っている。  俺は漱石さんに連れられ、ジパングの街に関する一通りの説明を受けた。    カエサルとポンペイウスとの死闘から1時間後のこと。正面ゲートをくぐった後、漱石さんがまず向かったのはなぜか高級ブティックだった。
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