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・・・・おーーい・・・・
・・・・生きてるか?・・・っておいら達はみんな死んでるのか・・・・ははは・・・
微かな光の熱を感じる。
ここはどこだ・・・。先ほどまで感じていた目まぐるしいほどの空間のねじれ、四方八方からの引力の応酬は影を潜めてしまったようだ。
むしろ、心地よさすら感じる。
おい、お前さんは新人かい?
声?誰かが俺に話しかけているのか?
もしかして、ここは天国か?やはり死後の世界はあるのか?
俺は意を決して目を開いた。
「ああ、良かった、やっと気づいたかぁ。新人だよな?だったらおいらが案内してやるよついてこい。」
目の前にいたのは、浦島太郎のように上半身裸に腰みのをまとった、学生時代に見た国語の教科書の肖像画の記憶と完全に一致する顔を備えた、かの有名な文豪であった。
「あの・・・あなたの名前ってもしかして・・・」
「あん?我輩には名前があるぞ、猫にはないけどな。
夏目漱石だ。 」
・・・・・天国はありました。紛れもなく俺は今天国にいます。
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