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さらに1時間ほど歩いただろうか。やっと街のような景色が見えてきた。
「ほぅら、もう直ぐだぞ。この街が今日からお前さんが住むことになる所だ。その名も・・
天国連邦加盟国 黄金郷『ジパング』 だ!!」
「・・・黄金郷、ジパング・・・・って、マルコ・ポーロが東方見聞録で記した名前じゃないですか。どうしてその名で呼ばれているんですか?ここ見る限り、江戸のような街並みですよ?」
「ハハッハハハハ。それは何故かというと・・・現在のこの国の王様が何を隠そう、そのマルコ・ポーロ当人だからだ。」
「え・・・・・。」
衝撃的な事実に頭が追いつかない。日本で死んだのだから、死んだ後も日本にいるものだと思った。天国にも日本やアメリカなど実際の国の区分があると思っていた。もしくは、天国という1つの世界が広がっているのだとばかり考えていた。
しかし、ここは黄金郷ジパングで、国王はマルコ・ポーロだという。
果たして本当なのだろうか。漱石さんが俺をからかっているだけではないか。
様々なことを逡巡している内に、俺と漱石さんは豪華絢爛な高さ3mほどの巨大な門の前にたどり着いた。
赤いしゃもじのような、恐らく警棒のような役割の武器を手にした門番が2人立っている。
「夏目漱石、職業はフランス料理人。新人を1人連れて、只今戻りました。これより、将軍様の元へ新人を紹介しに行く所存です。」
フランス料理人・・・?将軍様・・・?
天国は俺の想像を遥かに超えた世界のようだ。
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