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「ねぇ、ママ」
小さな手に揺り起こされる。目を開けると、二人が私を覗き込んでいた。ランドセルを背負っている。
「ほら、入学式に遅れちゃうよー」
私の手を握って引っ張っていく。
あれ?あ、あの子は…快活な女の子。泣いている。膝から血が出てる!
「ママー転んだよぉ」
消毒して絆創膏を貼ってやる。
「ほら、泣かないの。もう大丈夫だから」
顔を上げると、中学生になった二人が笑っていた。
「私ね、バスケ部にした」
「私は吹奏楽部にしたよ!」
臆病な女の子がバスケ部にしたと言う。あなたは引っ込み思案な性格だから、少し心配だけれど…自分で決めたなら、お母さんは応援するから。そう言うと、満面の笑みでその子は大きく頷いた。
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