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「あのね、早くママに会いたいの。会いたくて会いたくて…来ちゃったんだ」
「ママは…はーちゃんとみーちゃんに会いたくないの?」
「はーちゃんもみーちゃんも、ママとパパに呼んでもらえるのお空で待ってるから…だから…ママ、泣かないで」
そうだ。快活な子がはーちゃん、臆病な子はみーちゃんだ。
はーちゃんの手が私の涙を拭う。みーちゃんは私の頭を撫でた。
「パパもママと仲直りしたいって、思ってるよ。ママ知ってる?パパはね、ママが大好きなの。だからね、はーちゃんたちが生まれた後にたくさん拗ねちゃうんだよ」
「そうだよ。みーちゃんたちにママを取られたって拗ねちゃうの」
二人はクスクスと笑いだした。私も一緒に笑った。桔平さんらしいと、そう思った。
「ママ、待ってるからね!早く…早く呼んでね」
交互に抱きしめた後、二人一緒に抱きしめた。柔らかくて、優しい匂いがした。
二人は笑顔で手を振りながら、小さな光になって空へと帰って行った。
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