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湯船に浸かりながら、ため息をついた。
二人は、お湯の掛け合いっこをしながら遊んでいる。
おまわりさんは私が渡した免許証の名前を見ると、やっぱり、そんな顔をしてこちらを見た。
引き出しから一枚の紙を出して渡された。
「…お母さん、育児は大変ですよね、特に双子だと…。一人で抱え込まないで、こういった相談機関に話すだけでも心が軽くなりますから。専門の者から連絡させますから、ここに連絡先を…」
違う!私は母親じゃない!
しかもこのおまわりさん、私が育児ノイローゼだと思ってる。
「だ、大丈夫です。お忙しい中すみませんでした」
頭を下げると、横に置いてあった免許証を素早くポケットに入れて、二人の手を握った。足早に交番を去る。
雨の中、三人で彷徨うわけにもいかない。
私は二人を連れ帰ることにした。
そして、今に至るのだ。
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