ベッド

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なんだか、ひょんなコトから俺には、八歳年上で喫茶店のマスターをしている恋人が出来た。 今、俺の隣にはマスター、岩元 俊太郎さんがいる。 まさか俊太郎さんもゲイだったなんて、俺には嬉しい誤算だった訳で。 毎日彼の淹れるコーヒーの香りで目覚めて、彼の作った朝食を食べて仕事に出掛ける。 仕事帰りには、彼の店に寄って片付けを手伝い一緒に帰る。 俊太郎さんは、とても優しく気のつく人で、俺はいつも先回りされてしまう。 それが悔しくて、せめて夜だけはって思ってるのに、やっぱり彼の方がいくつも上手(うわて)で。 俺は彼に翻弄されるばかりで全然やり返せない。 そうやって悔しがる俺に俊太郎さんは、「僕の腕で啼く君の可愛い顔を見るのが趣味なんだから。僕の楽しみを取り上げないで。」なんて言うもんだから、俺はいつも俊太郎さんの言う通りにするしか無くて。 だから、これからも俊太郎さんに甘えさせて貰う事にした。 「ねえー、今日はさ、俺オムライスが食べたいなー」 こんな事ばっかり言ってるんだ。 終
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