水のないプール

12/55
前へ
/100ページ
次へ
時は、午後3時半頃のことでありました。 場所は、観音寺市琴浪町にあります保育所にて… 白のブラウスとマゼンタのチェックのスカートの制服姿の多香子は、奈美に頼まれて学校の行き帰りになえちゃんの送り迎えをしていますが、この日は奈美から『今夜はお泊まり保育をお願いして…』と言われていたので、保育所に行った際になえちゃんのお泊まり保育をお願いしていました。 その時に保母さんがビックリした表情でどうしてお泊まり保育にするのかと言うていたので、多香子はこう答えました。 「すみません…勝手なお願いをしてもうしわけないと想っていますが…家の都合でなえちゃんのメンドウをみることができないのです。」 「家の都合って…」 「来年、高校入試を控えているのです…うちは…義兄のようなペースの遅い子になりたくないから必死になって受験対策に取り組んでいるのです…うちは…義兄が通っている(三流以下の)私立高校には行きたくないのです…お願いです!!うちの気持ちをわかってほしいのです…」 保母さんは、多香子の気持ちをくみ取りましてなえちゃんのお泊まり保育を引き受けました。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加