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「当たり前だろ。コンクリートの壁思っ切り殴って、骨が折れてないだけありがたく思いなよ」
もしかしてあたしが怪我してるって思ったから、あんなに急いで寮に戻って来てくれたのだろうか。ちょっとはいいとこ……。
「仮にも俺と付き合う女の子が壁相手にミット打ちする子だと思われたくないからね。せいぜい頑張って猫かぶっててよ。はい、出来た」
なかった!
「ありがとうございましたっ。迷惑かけてすみません!」
ずっと握られたままの手を引くとあっさりと離された。ちょっとは優しいところがあると思ったのが大間違いだ。
「寮の規則説明するから待って」
「はいはい、どうぞ……」
まったくもう。今日から寮暮らしってだけで、かなりのストレスなのに有馬のせいで余計にストレスがかかる。
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