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廃ビルの屋上
夏になると、毎年仲間と見に行く花火大会があった。
近くの河原で打ち上げられる花火は、ド派手で盛り上がる。
露店も出るから行きも帰りも大混雑で、それだけがネックだった。
ある時、遠藤がよさげな鑑賞ポイントを見つけたから、今年はそこで見ようと言った。
そこは、花火大会の会場から少し離れた場所にある廃ビル。
周りのビルは、花火大会が始まる19時頃には誰もいなくなり、廃ビルの入り口は施錠されて入れないが、外階段の鍵は一蹴りすれば壊れそうだという。
その階段から屋上へ上がれば、誰にも邪魔されずに花火が堪能できるんじゃないかと遠藤は言った。
その話を信じ、俺は藤堂と結衣を誘った。
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