廃ビルの屋上

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三階に上がった頃だった。 夏だというのに、刺すように冷たい風が俺の頬を撫でた。 身震いし、風が吹いて来た方を見ると、そこには三階のドアがあった。 ドアの向こうは真っ暗だし、廃ビルで冷房なんてついているはずもない。 遠藤にその事を伝えると、ビビりだと茶化された。 腹が立ったが、俺以外にその風を感じた奴はいないようだ。
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