廃ビルの屋上

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その時、突然俺の背中のちょうど心臓の真裏辺りに、手の平で思いきり叩かれたような衝撃を受けた。 俺はその痛みと衝撃で、一瞬呼吸が出来なくなった。 声も出せず、振り返っても誰もいない。 前方には、階段を下りていく藤堂の頭が見えた。 置いて行かれたらまずいと感じた俺は、よろめきながらも急いで階段を下った。 慌てて駆け下りてくる俺に、三人は驚き怯えていた。 一階に着くまで、俺の背中はずっとヒリヒリと焼けるような痛みが走っていた。 「誰かに背中を思いっきり叩かれた。死ぬかと思った」 服をめくり遠藤たちに背中を見せると、結衣は小さく悲鳴を上げ、遠藤と藤堂は唖然としていた。 「お前、すげーでかい手形がついてるぜ」 遠藤はスマホで写真を撮り、俺に見せてくれた。 遠藤の言う通り、背中には赤くくっきりとした大きな手形がついていた。 そして、結衣の足にも薄く手で掴まれた跡があり、遠藤の右手首も赤くなっていた。 「帰ろうぜ。ここにはもう来るのよそう」 遠藤はそう呟き、俺たちは自転車で立ち去った。
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