はじめてのきもち

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はじめてのきもち

『あぁ、明日からまた学校か…』 今日は久しぶりに中学校時代の友人と会う約束をしているというのに足取りが自然と重たくなってしまっていた。そう、今日が土曜日ならば、明日も休みだ!と幸福感に満ち溢れた気分になるのだが、あいにく日曜日である。 確かに友人と遊ぶ事はすごく楽しみだ、その気持ちに嘘偽りはない。 『駅まで長い…お母さんに送ってもらえば良かったな…』 今日はほんの少し背伸びがしたくなり、最近購入した青のワンピースにヒールのある白い靴を履いていた。新しい服、いつもより少し高い目線。どれだけ世界が綺麗に見えるのだろうかと期待していたのだが、実際はもたつく足元を見るのに必死になるばかりである。 折角のワンピースが心なしかくすんだように見えた。 『あ、急がないと』 一先ず、顔を上げ、再び歩みを進めた。 『…ん?』 前から人が来る。男性が二人…これは、少し横に寄らないと通れないだろう。 『あっ…』 その時、自然に左の男性が右の男性の腰に手を添え、自分の方に引き寄せた。こちらの存在にいち早く気づき、先に寄ってくれたようだ。 『優しい…大人だ…』     
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