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変わる景色
あれから5カ月がたち桜は散って梅雨は過ぎて夏の暑さが少し残る9月。
今日は午後から授業もなくまた花を買って持っていく。
病室に入ると柊が「待ってたよ。」と優しい笑みを向けてくれる。
季節や景色は変わったのに君の状態は変わらないまま。
私は少し怖くなって「大丈夫なの?」と聞いてしまう。
君は笑った。
私は無理やり笑うその笑顔を良く知っていた。
その顔を見て私は悲しくなって君に寄り掛かった。
今日買った紫色一色で少しミステリアスなソナリアという花を見つめる。
君に聞こえない声で「君が好きだと気づいたよ。」と言って見た。
後悔してもいい。
私は知らないふりをしていただけで前から君が好きだったんだ。
「ロボットだって恋してもいいじゃん。」とソナリアという花に心の中で訴えた。
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