裏切りの死

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裏切りの死

12/24 一年記念日は最悪な形となる。 私はいつも通り紫色で花が付いた枝を持っていった。 そのハナズオウは鮮やかすぎて少し妙だがとても綺麗な花だった。 私も君のために美しくなれたらいいのに。 機械は変われない。 そう思っていると君が思いつめた顔で「心中しない?」と私に尋ねる。 あぁこれが君が選ぶ道なのか。 私は「君がいいならいいよ。」と涙をこらえて強がった。 互いにナイフを胸に刺す。 私からはコンっと機械が当たった音。 「私は君を生涯見守るために作られた観察用ロボットだった。」 白い部屋には鮮やかな血と私の涙が流れ落ちた。 変われない私のことを何も知らないまま大人になれば何も言わないから少しだけここにいさせて。 私の記憶は消されたはずなのに忘れたはずなのになんで私は泣いてるの? 激しい雨の中私の涙は隠れてますか。 私はまだ覚えてる。 君の笑い方もあてにない文字が錆び付いた時に嘘でもいいから笑いかけてよ。 もう降りることないこの駅にさよならと共にシオンの花を。 スノードロップ・・・あなたの死を望む。 タツナミソウ・・・私の命を捧げたかった。 ソナリア・・・この恋に気づいた。 ハナズオウ・・・裏切りをもたらす死。 シオン・・・君を忘れない。 利根理舞(とねおりま)反対から読むとマリオネット マリオネット・・・操り人形。
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