下・委ねられた真実

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次第にレイアスは少しずつ兵士の質問に違和感を覚える。 その違和感は初めにあった時から感じたものと同様のものであった。 兵士が初めてレイアスと会った時、兵士は鉱石のことを”鎮魂晶”だと知っていたからだ。 「あぁ…えーっと、それなら、友達の精霊族が教えてくれたんです」 「精霊族…どんな人だい?例えば…」 「人っていうか黄色い…ん?」 兵士はレイアスの後ろを指す。 暗い森を雲の影から月明かりがその姿を照らす。 そこにはふわふわと揺れるコロンを引き連れた少女があった。 「コロン!それに君…!」 「みゅう♪」 「…」 兵士はじっと少女を見つめていた。 それに気がつくレイアス。 「精霊族って違いますよ!あの子は…」 「そうだね。でも、あの子も君もこの現場に来てたってことは…少し気になるんだよ」 「それは何か理由があって…君も何か言ってくれ!」 「…」 沈黙する少女。 男はぼそりと呟く。 「精霊族…やっぱりだ…やっぱり弟の仮説通りだ…!!」 「あ、あの…」 狂気の笑みを浮かべた兵士は真顔に戻り、兵士たちとレイアスに声をかける。 「全員武器を持て!君も戦えるかい?」 「ちょっと!説明してください!戦うって一体!?」 すると兵士は短刀を逆手に持ち、少女との間合いを計りながらレイアスに語る。 「この子はね!魔族なんだよ!この子は罪のない命を鎮魂晶に変えて、この力を利用するつもりだ!この腐った竜を蘇らせてイスリーダ帝国を襲うつもりだ!だから殺さないと!」 「そんなバカな…!おい!なんか言ってくれよ」 少女は何も語らない。 それどころかこちらに殺意を向けていた。 「…」 「みゅぅ…」 兵士は煽るかのように全員に語りかける。 「ほぉら!あの女は俺たちも結晶化させて竜の餌にするつもりだ…!殺さなきゃ…!臭うぞ...罪深き混血の女め…!」 次の瞬間であった。 少女は大地を強く踏み込み、恐ろしい速さで飛びかかる。 兵士が一人、また一人と宙に打ち上げられる。 瞬きすら許されない少女の脚力を目で追うレイアス。 少女と目があったその時、レイアスは腹部にもらった弾丸のような肘鉄砲で遠くに飛ばされる。 「うぅ…!」 「みゅう…!!」 心配そうにレイアスの元へかけよるコロン。 猛攻はあの兵士にも降りかかる。 少女は兵士に向かってまっすぐであった。 身構える兵士、だがその眼前には姿はなかった。 察知したように兵士は上を見上げる。
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