中・闇に消えた真実

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するとある要人は痺れを切らしたかの如く声を荒げて言う。 「なら!!竜族の力を利用し、竜族の持つ結晶化と竜の涙を得れば…イスリーダは巨大な軍事力を手に入れることができるのか!?」 その問いかけにもノモリ博士は淡白に答える。 「知能高き竜の調教ができるなら…可能です。ただし、結晶化にするためには犠牲も伴います。それは生命の命そのものが鎮魂晶なのですから」 その回答に場内の人間が一斉に声をあげ出す。 「なら、そこらへんの魔獣を使えばいい!治安も良くなって一石二鳥じゃないか!」 「待て!それは竜族の力があっての話だろ!」 「そうだ!竜はどうするんだ!竜狩りでも始めろと言うのか!」 「そんなことをしたら我々イスリーダの民が竜族の怒りを買うだけじゃないか」 「いや、待てよ…他国の竜を狙えばいい!仮にしくじっても狙われるのは我が国ではない!」 「由々しき外交問題に発展するだろ!発言を慎めっ!」 「それは種族間の問題にもなりかねないぞ!」 皆が思い思いの言葉が飛び交う中、ギリアムもまた落胆した様子だった。 「そうか…俺が作ろうとしたものは…何かの命を犠牲してたのか…」 「ギリアム…」 ガナンもまた同様であった。 この国は力に惑わされていること。 決心したかのようにゴホンと大きな咳払いをすると、声を大にして発言する。 「はぁああああい!!すみませーーーーん、質問いいですかぁああああ!!」 耳を塞いでキョトンとするギリアム。 一瞬にして静まり返った会場内はガナンに注目が集まる。 「…反逆者の身分ですんません…。レム。それに博士にも聞きてぇんだが、その鉱石はなんで今になってイスリーダ領土に出てきたんだ?何かきっかけでもあったのか?」 その言葉を聞いたノモリ博士は驚いたように返答した。 「えぇ。おっしゃる通りです。きっかけは分かりませんが鎮魂晶が出現したのもここ数日の話…。私が考えるに…力の乱用、もしくは暴走ではないか…と。そうですよねぇ、錬金術師さん」 ニヤリと笑いレムに視線をやるノモリ博士。 「えぇ…。竜族は…竜族のその力は種を守るため用いります」 うつむきながらレムはそう答えた。 それを聞いたガナンはこのように切り返す。
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