中・闇に消えた真実

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「ってことは、だ!少なくてもここ数日に力を使った奴がいるってことだろ?そいつを見つけ出しさえすれば、うまく行けばイスリーダの力になるんじゃねーか?それが先だろう。やけに急すぎる気がするんだが、軍事利用なんて話は…」 妙に説得力のあるガナンの発言に場内はどよめいた。 ざわつく場内。 その最中、レムはノモリ博士の舌打ちを聞き逃さなかった。 何かを思いついたかのようにノモリ博士が挙手した。 「ところで、私にも質問を2つ程、させては頂けませんか?場の皆様もご協力くだされば幸いです」 「許可する」 ノモリ博士は立ち上がり、会場内のすべての人間に問いかける。 「1つは…鎮魂晶の別の運用方法と…もう一つは…このイスリーダ帝国の領地にいるとされるあらゆる種族の言語を操る竜の存在についてです」 「…!!」 レムは驚きを隠せなかった。 それは、ノモリ博士があまりにも”知りすぎている”からであった。 ーイスリーダ帝国、王宮門前ー そこには抗議を唱える市民達と忙しそうに対応する門番がいた。 「おい!説明しろ!」 「だから、何度もおっしゃいましたが…」 「エストちゃんは関係ねぇだろう!」 「陛下はどうした!?」 「それは軍部からの命令が…陛下は急務で会談中なので…」 怒号が飛び交うその人混みを割って進むレイアス。 人をかき分け門番に乞う。 「頼む!入れてくれ!」 「だーかーらー、軍事会議中ですので門を開けることができないって何度も…」 「じゃあ、ロイを呼んでくれて!」 「…ロイさんは陛下と会談中ですのでお呼びできません…わかってください」 「そんな…」 レイアスの頼みの綱が途絶えた瞬間だった。 門番に駆け寄る市民に揉まれ、人混みの後ろまで押し戻される。 尻餅をつくレイアス。 「おっと、大丈夫?」 声をかけたのはレイグラードの市民だった。 「えぇ…大丈夫です」 「それにしても困ったね」 「そう…ですね」 「ギルドに依頼も出せなきゃ今日は撤退だな」 「依頼が出せないって、どうしてですか?」 「どうしてって…ガナンさんが捕まっちゃったからに決まってるじゃないか」 ガナン逮捕について初耳であったレイアスはその市民に駆け寄る。 「なんで!ガナンさんまで!」 「なんでって…それを君も聞きにきたんじゃないの?」 レイアスはこれまで頼ってきた人が近くにいないと実感すると、不安と絶望が思考を支配した。
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