上・疑念だらけの真実

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ーイスリーダ帝国、レイグラードのある日の正午ー 「みゅぅ?」 「それで、ロイは誘えたの?」 「ファメルから帰国したと思ったら次は内定調査だからとか言ってさ!」 「忙しいそうね、ゆっくりしたら一緒にご飯食べたいね」 「みゅぅ♪」 突如、ギリアムに呼ばれたレイアス達は武具屋のドアを開けた。 「来ましたよ。ギリアムさん」 「よぉ、久しぶりだな、お前ら」 「お久しぶりです。ところで、用って何ですか?」 「あぁ、ここいらで最近、珍しい鉱石が見つかって鈍を叩いてたんだがよ。ここにある道具じゃ役に立たなくてよ」 ギリアムは腕の立つ鍛治職人である。そんな彼でも扱うことの出来ない鉱石を手に取るレイアスと心配そうに見つめるイリスとコロン。 「ギリアムさんでも扱えない鉱石だなんて…」 「みゅぅ?」 「でも、どうしてまたこの鉱石で武具を作ろうと思ったんですか?」 その言葉を聞いたギリアム。するとニヤリと彼は笑う。 「…なぁ、この鉱石どう思う?」 「ど、どうって…軽い?」 「あっ、それに微かに輝いてる?」 「みゅぅ?!」 「そうだ。この石はそこら辺の鉱石とは違って異質なんだ。軽いが…」 するとギリアムはレイアスから鉱石を取り上げ、床に落とした。 「あっ!!」 「え…っ!?」 「な、何してるんですか!ギリアムさん!」 「待って。レイアス!」 「みゅ?」 地面に落ちた鉱石は一瞬、強い光を放った。 しかし、それも束の間。再び淡い光を輝かせている状態に戻った。 「ギリアムさん、これは…?」 「あぁ。軽いんだが衝撃を加えた瞬間だけ、不思議なことに硬度が増すんだ」 「だから、ギリアムさんの腕でも加工できないんですね」 「いや、厳密には鍛えてやることが出来るんだがよ」 ギリアムは作業場から柄のない剣を取り出し、レイアスに渡した。 「お、重い!これ何なんですか?」 「さっきの鉱石を無理に叩いて鍛えた剣なんだが、鍛えれば鍛えるほど普通の鉱石…それどころか輝きも失って普通より重い鈍刀に変わっちまう訳だ」 物憂げにするギリアムを横目にレイアス達はキョトンとしていた。 その静粛さの中、イリスが口を開いた。 「あの。ギリアムさん。鉱石をどうやって武器の形にするんですか?」 「あぁ、簡単に言うと鉱石を細かくして火で不純物を燃やしてやるんだよ。そうして残った成分だけがドロドロに溶けて加工する訳なんだが、いい武具っていうのは粒子が均一に…」
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