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饒舌に説明し続けるギリアムの話に、レイアスの思考回路は沸騰しかけていた。
「あ?!!んで、ギリアムさん!用って何なんですか!?」
「あぁ、悪い悪い!とどのつまり、この鉱石には輝いて軽い不思議な成分とは別に不純物が多いってレムが教えてくれたんだよ」
「レムさんが?」
レムとは同じレイグラードで錬金屋を営む謎の多い錬金術師だ。
「あぁ。それもこの質量だと、純度の高いものを作るにはもっと沢山の鉱石が必要だって話だ」
「つまり、それを俺たちが探してくればいいんですね!?」
「…いや。これは俺の夢…。探究心故にって話だからいいんだ」
「じゃあ、俺たちは何を?」
「みゅ?」
「レムのことなんだ」
ギリアムの表情は一変した。
「レムさんのことですか?」
「あぁ、この鉱石を見つけてきて色々試した結果、レムに助言を求めたんだが…それからレムが店を閉めて留守にすることが多くてよ」
「レムさんのことが気になるんですか?」
素直なイリスの発言に頬を赤らめ、レイアスを殴ったギリアムは弁解する。
「ば、馬鹿野郎!結婚相手くらい自分で探すって決めてんだよ!」
「な、何で俺が殴られるんですか…」
「俺は三剣聖の武具を作る為にこの地に店をかまえた。しかし、それは俺の夢なんだ。この鉱石がヒントかも知れねぇと思ったが、他人を巻き込んでまで作ろうなんて思わないさ。でも、現にレムを巻き込んじまったのかも知れないと不安でよ」
「単にギリアムさんの思い込みじゃないんですか?レムさんだって留守にする理由が…」
「思い込みならいいんだがよ…鉱石を持ってレムのところに行った時、この鉱石が取れた場所について詳しく聞かれてな。レムのことだから、大丈夫とは思うんだが大事を取ってお前達、レムの様子を伺ってきてくれないか?」
謎の鉱石とレム。そのレムの安否確認がギリアムの依頼だった。
「現に俺たちが巻き込まれてる様な…」
「まぁな!ついでに鉱石素材を見つけたら持ってこい!軽くて丈夫な鉱石で作った武具だ。三剣聖にも引けを取らないお前だけの武具が作れるかも知れないぞ!保証はないけどな!はっはっは」
「レイアス!行こう!レムさんことも気になる」
「みゅ?!」
「そうだな!英雄たちの武具…俺が憧れた三剣聖…」
「無理するんじゃねーぞ!お前達!そして…頼む」
「「はい」」
ギリアムに鉱石が採れた場所のメモをもらったレイアス達。
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