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はじめにレムの錬金屋を訪れようとした矢先のことだった。
「ねぇ!レイアス!あれ!」
「みゅ?!!」
そこにはよく見知った黄色いにニックキュー種の姿がレムの錬金屋から出てきた。
「ルゥじゃないか!」
「あ!レイアス達!久しぶりじゃないか!」
「久しぶりだけど、何してるんだ?またフェンにお使いでも頼まれたのか?」
「違うよ。これはレムの依頼なんだ。まったく…人族っていうのは人使いが荒いね!」
「お前、人じゃなくて精霊族だろ…」
ルゥとは若い精霊族であり、レイアスとも旅を一緒にする心強い仲間である。
大戦以降、種族間に軋轢が生じたものの、レイアス達には既に友情が芽生えていた。
「それより、レムさんに何を頼まれたの?」
「みゅぅ?」
「えーっと…グランバッドのフンに、コロックの体毛…ユニコーンの角にサーディンの眼球…」
「げっ…何に使うんだよ…」
「錬金術に使うんだってレムが言ってたよ!まぁ精霊族は薬にしたり道具にしたりしてよく使う代物なんだけどさ。人族のことは分からないよ」
「ところでルゥ。レムさんは他に何か言ってなかった?」
「みゅぅ!」
「う?ん…そういえば”竜の涙はある?”って言われたけど、オイラ達は使わないって言ったら”そう…”って言ってたけど」
「レイアス!まさか…!」
「みゅぅ!!」
「あぁ…おい!ルゥ!竜の涙ってどこにあるんだ!?」
「知らないよ?…昔、フェンがグラメニアの大樹林には八大種族の言葉がわかる古竜がいたって言ってたけど…」
「ルゥ!その竜は?!」
「話を聞かないやつだなぁ!”いた”って言ったろ?」
「そうか…」
「みゅぅ?」
するとルゥは腕を組み、何かを推理しはじめた。
「ん…?待てよ…その竜は北西の海を越えたってフェンが言ってたよ!間違いない!」
「みゅ?」
「おぅ…で!どこにいるんだ?!」
「鈍いやつだなぁ!グラメニアから北西って言ったらここイスリーダじゃないか…。森に住んでた竜なんだから、どっかの森にでも住み着いたんじゃない?」
「ルゥ!お前、すごいよ!イリス…!もしかしたら…」
「レイアス。それにギリアムさんのメモ…」
大きなヒントを得たレイアス達。
さらに、ギリアムのメモにはレイグラードの地図、北東の森林部に印があった。
「関係があるかも…!」
「みゅぅ!」
「ありがとなルゥ!行ってくる!」
「あっ、ちょ、ちょっと待ってよぉ!オイラが言ったのは大昔の話だぞ?!」
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