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オレと彼女と、オトナの事情
――三日後
「それにしても珍しいよなー、この時期に転校なんて」
「親の都合なんじゃないか? まぁ、そのうち静かになるだろ」
そう言って転校生を見る、馴染むのが早いのか、すでに何人にも囲まれてる
どうしてか、目が離せなくなるソイツ
――なんでこんなに気にしてるんだ?
自分の事なのに、気持ちがよくわからない
「そうだ文化祭、お前はどうするんだ?」
「いや、オレはいいよ、そういう気分になれないし」
文化祭を廻る組を、クジで決めようって企画に、誘われたんだが
いつ、日常が壊れるかなんて、わからないじゃないか
壊れる瞬間をオレは知っている、体験したんだ
オレはその事が頭の隅にいつもある、騒ぐヤツを否定するわけじゃない
ただ、本心から楽しめないオレが行っても仕方ないだろう?
関わることが無いと、思っていた、灰色でも、構わないと思っていた
輝きに気づいたのは…………皮肉な話だっただろう
もし、語るなら、その日から動き始めた、オレと彼女の恋愛事情
始まりは、あの日からだった――
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