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「あいつノーパンらしい」
どこから情報が漏れたのか、
隣のクラスの背の高い男子が
秀くんを指差して言うと、
周囲でクスクスと笑いが起きた。
事情を知ってる、うちのクラスの生徒は、
咳払いなどして
必死で笑いをこらえているのがわかる。
「ノーパンって、無いでしょ」
「隼人(はやと)こんなときに笑わせないでよ」
と隣のクラスの女子は、
まさか事実とは思っていない。
「それが本当なの」
と秀くんが自ら白状したのは衝撃的だった。
隣のクラスの生徒と、
笑をこらえていたうちのクラスの生徒がおもいきり笑い、
壇上の先生がこっちをにらんだ。
「トイレに間に合わなかったんじゃねぇ?」
背の高い隼人という生徒が
今度は少し見下したように言い、
それに乗っかり周囲の感じ悪い笑いが起きたので、
カチンときた私は
隼人に向かって、
「違うわよ。無神経なことをよくも言えたわね」
と大声で言った。
マイク越しに先生が、
「そこ、うるさい」
と怖い顔で注意する。
そして体育館はシーンとなる。
どうしよう。私は大ピンチを迎えた。
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