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ランチタイムになり、
ほとんどの生徒たちは食堂などに出かけて行く。
少数だけど教室でお弁当を食べる生徒もいる。
私の唯一の友達が
今日たまたま休みなので、
教室でお弁当を食べることにした。
秀くんは、まだ体力的に移動が大変
だからと友達の誘いを断り
机にお弁当を広げた。
私より箸使いが上手くない。
じゃなくて手足に力が入らないんだったね。
お弁当が食べ終わるころ、
「ところで友達できた?」
と秀くんが私に質問した。
さりげない話題でも
私にとって聞かれたくないことだった。
心配されるほど
寂しい生徒に見えてるのかと思うと
傷つく。
小学生の頃から引越しの多かった私は、
なかなかクラスに溶け込めなかった。
そして高校生にもなれば
人間関係はもっと複雑だ。
前の学校では友達が居なかった。
だから心の闇はけっこう深い。
「心配されなくても友達くらい居るわよ」
怒った私は紙パックのお茶をギュっと握った。
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