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「私はつまらない存在だ」
天井を見上げ、シーリングファンを眺めた。
私はこの世界の部品にすぎない、そのために作られたんだ。
いや、部品ですらないのかもしれない。私一人いなくなったって世界は回るのだ。
「私はあなたと話していて、楽しいですよ」
彼女は笑いながら言った。そして、やってきたコーヒーを「私は飲めないので」とこちらに差し出す。
「あー馬鹿にしたなぁ!もういい。死んでやる、ブッ壊れてやる!!」
私は声を荒げた。らしくない事をしたが、割と気分はいい。
「元気じゃないですか。っていうか、びっくりするほど」
彼女は目を見開いた。
「あー。やだなぁーアンドロイドみたいな生活。アンドロイドやめたい」
コーヒーを一口飲み、私がそう呟くと、彼女はむっとして目を光らせた。
文字通り、緑色の機械の瞳を。
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