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「なんだか私の中で怒れという命令が出ている気がします」
「……今のは私が悪かった」
私が謝ると、彼女は微笑んだ。
「あなたはカノウセイに満ちています。その点においても人間はとても贅沢だ。
私は人間になりたいですが、私がなれるのはアンドロイドとカウンセリングロボットだけです」
…確かに贅沢なのかもしれない。
「残念ですがアンドロイドに【共感】という概念はありません。
それでもこうしてカウンセリングロボットとしてやっていけているのはきっと、【知りたい】というプログラムがあるからです。
あなたは自分でつまらなくしているのではないのですか?あなたはアンドロイドにはなれませんが、あなたはいろいろなものになれますよ」
「君が言うと重みが違うな。アンドロイドやめたい?」
「やめたいですね」
私が言った言葉に彼女は即答した。
でも、悲しそうにでは無く。楽しそうに。
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