4.紫陽花の季節、夏までのカウントダウン

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4.紫陽花の季節、夏までのカウントダウン

 最近、夜、寝れない。いろんなことを思い出して、眠れない。それで、午睡して夢を見る。夢を見た後で、ボーっとした頭で家人に何か呟くらしいのだが、それが変な話ばっかりで気味悪いから止めてくれ、話すなと言われる。  この間は、妻に「レコード大賞に呼ばれているからタキシード洗濯に出しといてくれ。」と言ったらしい。梅雨前にレコード大賞もないだろう。それに5年ほどまでに功労賞を貰ったので、もう呼ばれることはない。たぶん、俺が死んだら追悼特集してくれるかもしれないけど、その時にはタキシードは要らない。  5月末に漸く「二人のヨウコ」を書き上げた。曲は先にショウちゃんが作ってくれたので、そこに詞を付けた。  「思い出すのよ あの日のことを」で始まり、グランプリ大会で芸能プロダクションとレコード会社の札が上がり、歌手への道を歩んだ私たち(つまり二人のヨウコ)の歩みを歌詞にした。想像もかなり入っているが、ドキュメンタリーでないのだから、許されることだろう。そして、サビの部分で「もう一度輝きたい ステージの上で」が入り、「歌はきっと蘇る あの輝かしい時代も」で終わる。久々の大作になるはずだったのだが。
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