第2話 戸惑い

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「…………」 「あのさ」 「なに!?」 「そこ、レクリエーションのアンケート、早く書いといた方がいいよ」 「どうもありがとう!でも、話しかけないで…!」 「へいへい」 「………………」 「あ、そこじゃなくて、こっちのページ…」 「花蜜くん!話しかけないでって言ってるでょ!?」 勢い余って大きな声で叫んでしまう。 そこに居た生徒達が驚いて一斉にこちらに向いた。 「遅れてきてお喋りとはいい度胸ね、渡瀬さん。この後アンケートの回収とまとめるの、よろしく頼んだわね」 教師の苛立った顔が、花乃子を絶望させたのだった。 クラスの代表者が続々と帰って行く中、花乃子は泣く泣く回収したアンケートをまとめていた。 (くそぅ、花蜜くんのせいだ…!) 心の中で恨めしく思っていると、てっきり帰ったと思っていた花蜜が前の席に座ってきた。 「俺のせいでもあるから、手伝うよ」 そう声をかけてくれたが、苛立ちも手伝って素直に頷けなかった。 プリントにガリガリと鉛筆を走らせながら、花乃子は素っ気なく言った。 「いいよ、大丈夫だから」
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