唐突な別れ

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  ある日のデート日隼人と蕾はいつも通り隼人の家で、家デートをしていた。だが、唐突に蕾が隼人に別れを切り出した。 「隼人大事な話があるの、前々から思っていたんだけど隼人とはこの先やっていけるとは思わないのだから別れてほしいごめんね」  隼人は雷に撃たれたような衝撃 が走った、そんな事を思っているとは隼人自身微塵も思っていなかった。 「な、何言っているんだ、俺たちこれまで仲良くしてたじゃないか、それにこれからも絶対仲良くしていけるに決まってる」    焦燥感に駆られながら否定するも蕾には届かなかった。 「ごめんね隼人」  驚愕している俺をおいて無情にも玄関の扉を開け帰っていった。隼人は何もいえず帰ってしまった蕾の後を見つめため息をついた。悲しみや怒りが彼を襲い、一つのことを決意する。手に入れられないなら殺してしまおう。 「絶対ゆるさねえ」 (あいつが仮に俺の事を裏切るならそれ相応の報復をしてあげないといけないよなぁ~ありったけの恐怖とありったけの苦しみをみせてやる。)  悍ましい笑みを浮かべながら報復の計画を立てていった。 別れを告げられ一ヶ月がたった…隼人はあれから報復のための準備を着々と進め殆どの準備を終わらせた。まずホームセンターでロープ、ナタ、粘着テープ、千枚通し、ペンチ、麻袋を購入し2年ほど前に購入した中古の車に押し込む。その後すぐにレンタルボックスを借り防音対策を施した。このレンタルボックスが置かれている場所は隼人にとって都合が良かった、人通りが少なく夜になるとこの付近を歩く人は、全くと言っていいほど人通りのすくない場所だったからだ。 準備が終わった次の日…大学生の蕾はいつも通り帰路についた。その後を100メートルほど離れながら追跡する黒い車ががいた、蕾は好きな曲をイヤホンで聴きながらスマホを触っていて全く気づかない、そんな様子を見た隼人は心底喜んだ。 (バカな女だ、イヤホンしながら歩きやがって、まあそのおかげで作戦通りいけそうだ、たっぷり可愛がってやるからな) 人気のない一本道に蕾が入ると、その後を追って隼人は車で移動した。20メートルほど離れたところに車を止め蕾が通り過ぎるのを待った…ちょうど、蕾が車を通り過ぎると同時に車を降り蕾の口を左手で塞ぎ耳元で囁いた。 「待っていたよ俺の蕾」 「た、助け…」 必死に抵抗するも隼人の体格と蕾の体格差があり、虚しくも車の後部座席に詰め込まれる。
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