居るとは思わなかった。

【プロローグ】

人造人間、又の名をアンドロイド。
人間に近い外見や生体や心を持ったロボットの事を指すのであり、サイエンスフィクションの世界観の中では段々と重要性を持ったポジションを担い始めている人工生命体である。

彼等は人間自体や人間の自律行動を模して造られた存在である為、動きや言葉等は人間そのままをコピーしたかの様に精巧で緻密である。

更に、彼等は脳という構造では無くコンピュータプログラムが内蔵された主記憶装置という媒体が埋め込まれている為、人間の何倍もの物事を記憶し維持する事が可能なのである。

又、彼等にはエネルギーから成るパワーが備わっている為、人間では然う然う持てない様な重量の物までも持ち上げる事が可能だ。

とここまで表した彼等の特徴を踏まえて見てみると、どうも地球で何も成し得ず生きて来た人間達よりもアンドロイド達の方がより社会を生き抜く為の適合力がある様に見える。

もし人間達に社会を生き抜く為の適合力や未来を予知する能力が備わっていて、これから先に地球の急激な気候変動があって人類が絶滅すると分かっていたなら、人間達は適切な対応を取り、アンドロイド達は使われていなかったであろうか。