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お母さんは風邪をひいて少し赤い顔で言った。
だって、見間違いの筈がない。私もちゃんと見えていた。
「お母さん、今捨てたティッシュ貸して!」
「いやよ。蛆がいてもいなくても気持ち悪いでしょ。」
お母さんはそれだけ言うとまたベッドに横になってしまった。
それを呆然と見つめいたけれど、ティッシュを拾いに行く決心はつかなかった。
お母さんの言う通りだ。
そこに蛆がいてもいなくても、どちらにしても嫌な気持ちになることは変わらない。もう既に嫌な気持ちだけれど、それでももうこれ以上気持ち悪くはなりたくない。
もう考えるのが嫌で、そっと寝室を出た。
その後、お母さんが相変わらず蛆を吐き出してるのかは知らない。
でも、相変わらずお母さんは少し変わっている。
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