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本編
うちのお母さんは少し変わっている。
雲一つない快晴なのに突然洗濯物を取り込み出したかと思うとそのわずか数分後にゲリラ豪雨っていうの?ものすごい雨が降ってきて私が驚いているとお母さんは窓越しに流れ落ちる水滴を見ながら母は不思議そうにこちらを見た。
そんな母はご飯を食べない。ご飯っていうかお米。
餅や煎餅は食べるから糖質制限とかそういうんじゃなくて単に嫌いってことなんだと思う。
「お母さんってなんで、ご飯食べないの?」
「……だって、蛆みたいじゃない。」
お母さんは時々意味の分からない事を言う。
「流石に、虫と米は間違わないでしょ。」
さすがにあり得ない。虫みたいに見えるから食べないって子供でもそんな事あんまりしないと思う。
「でも、むせちゃってせき込んだ時に出てくるのは大体いつも蛆なのよ。」
「ちょっと待って、何言ってるのお母さん。」
やっぱりお母さんは何を言っているのかまったくわからなかった。
◆
そんな話をしてしばらく経って、お母さんが風邪をひいた。
私が小さい頃からお母さんは風邪を引いたことなんて見たことが無かった。
赤い顔をしてベッドで寝ているお母さんに飲み物を渡す。
「ありがとう。」
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