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◇
胸部から腹部にかけて、なんとなく違和感があった。
その違和感は、四肢を拘束された後、すぐに激痛に変わった。
赤く腫れたレイの脇腹を見て、曽川は面白そうに笑みを浮かべた。
レイは痛みだけで絶頂することもあるが、最初から痛みと熱がある状態だと、そもそも快感を得られない。
レイの体を扱い慣れている曽川は、そのことにすぐに気づいたようだった。
「このままやっても勃ちそうにないなー」
と、レイの腫れた腹の上に膝で乗り上げて、圧迫する。
息が吸えない苦しさと痛みとで、レイは、声にならない声をあげた。
「あ、そうだ」
曽川は突然レイの上から降り、鞄の中から透明の小さな袋を取り出した。中に白い錠剤が入っている。
レイは急に激しく酸素を吸い込んだせいでむせた。
思考が鈍り、視界が歪む中、ぼんやりと曽川の動きを視線で追う。
「口、開けて」
曽川の無骨な指が、乱暴にレイの顎をつかんだ。
レイは半ばあきらめたような心地で、薄く唇を開いた。
得体の知れない錠剤を指で押し込まれる。
水分がないので飲み込めずにいると、曽川はナイトテーブルに置かれていたペットボトルを手にとってミネラルウォーターを口に含み、そのままレイに口づけした。
口移しされた水が、舌の上の薬とともに喉に流れて、体の中へ入ってゆく。
曽川は痛がるレイの体内に無理やりローターをねじ込んだあと、薬が効くまで仕事をすると言ってパソコンを開いた。
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