1.胡蝶蘭

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 次第に思考が途切れ途切れになっていった。 そのうちに、夢の中でずっと叫び続けているような、奇妙な感覚になる。  水の音がした。  最初、感覚の外側で聞こえたそれは、次の瞬間、息苦しさとともにくっきりとした輪郭をもって聴覚に入ってきた。  激しく咳き込む。 熱いのか寒いのか、痛いのか気持ちいいのか、何がなんだかもうわからない。  混乱していると頭上から声がした。 「起きたかー」  レイは重たい頭を動かして、眼前に立っている曽川を見上げる。 その手にはシャワーホースが握られており、冷水が流れている。 どうやらバスルームで、頭から水をかけられていたという状況らしかった。  曽川は寒さのために全身を震わせているレイを見て、楽しそうに笑い、続きやろーか、と言った。  失神して冷水をぶっかけられる、というのが何度か続いたあと、レイは完全に意識を手放した。
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