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次第に思考が途切れ途切れになっていった。
そのうちに、夢の中でずっと叫び続けているような、奇妙な感覚になる。
水の音がした。
最初、感覚の外側で聞こえたそれは、次の瞬間、息苦しさとともにくっきりとした輪郭をもって聴覚に入ってきた。
激しく咳き込む。
熱いのか寒いのか、痛いのか気持ちいいのか、何がなんだかもうわからない。
混乱していると頭上から声がした。
「起きたかー」
レイは重たい頭を動かして、眼前に立っている曽川を見上げる。
その手にはシャワーホースが握られており、冷水が流れている。
どうやらバスルームで、頭から水をかけられていたという状況らしかった。
曽川は寒さのために全身を震わせているレイを見て、楽しそうに笑い、続きやろーか、と言った。
失神して冷水をぶっかけられる、というのが何度か続いたあと、レイは完全に意識を手放した。
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