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夕食を食べ終わったあとテレビを見てくつろいでいると、シンがあたしに手を出すように言いました。
「何…?」
恐る恐る出したあたしの手に、シンが小さな鍵を乗せる。
「何これ…」
あたしが聞くと、シンが言った。
「自転車、買ったの。
出勤の時便利かと思って」
あたしのパート先は車通勤不可で、更に近所なので徒歩で出勤していました。
シンはそれを心配してくれたのか…。
あたしは自転車の鍵を握りしめて、シンにもたれました。
「ありがと、シン」
シンがあたしの背中に手を回し、ギュッと抱き締めてくれる。
あたし達はしばらく抱き合ったままでいました。
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