第一話 日常

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「へ~、久住楓ちゃん。なに話してたの?」 「見てたのかよ……別に大したことは話してねぇな」  言いながら持ってきた麦茶を一口飲めば、みのりはギターを抱えたままベッドを降りて険しい顔で近寄ってきた。 「本当に?」 「本当に。あ~、でも祭りに誘われたな」 「祭り? ああ、神社の? 二日後だっけ?」 「そう、その祭り」 「なに? 誘われたって、二人で行くの?」  彼女みたいな詰め寄り方だが、どういう感情だよ。 「いや、三人でってことになったけど。行くだろ? お前も」  その言葉で、険しい顔が途端に晴れて笑顔になった。 「な~んだ、わかってんじゃん! さすが幼馴染!」  ポンッとテーブルを叩くと、置いてあった麦茶を一気飲みしてベッドに戻り、再びギターを弾き始めた。情緒不安定かよ。まぁ、相も変わらず。らしいっちゃらしいけどな。 「あ、そういえば里桜のお母さん今日からいないんだっけ?」 「今回は一か月くらいだな。まぁ、そろそろ夏休みだし問題ない」     
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