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「へ~、久住楓ちゃん。なに話してたの?」
「見てたのかよ……別に大したことは話してねぇな」
言いながら持ってきた麦茶を一口飲めば、みのりはギターを抱えたままベッドを降りて険しい顔で近寄ってきた。
「本当に?」
「本当に。あ~、でも祭りに誘われたな」
「祭り? ああ、神社の? 二日後だっけ?」
「そう、その祭り」
「なに? 誘われたって、二人で行くの?」
彼女みたいな詰め寄り方だが、どういう感情だよ。
「いや、三人でってことになったけど。行くだろ? お前も」
その言葉で、険しい顔が途端に晴れて笑顔になった。
「な~んだ、わかってんじゃん! さすが幼馴染!」
ポンッとテーブルを叩くと、置いてあった麦茶を一気飲みしてベッドに戻り、再びギターを弾き始めた。情緒不安定かよ。まぁ、相も変わらず。らしいっちゃらしいけどな。
「あ、そういえば里桜のお母さん今日からいないんだっけ?」
「今回は一か月くらいだな。まぁ、そろそろ夏休みだし問題ない」
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