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きっと一気に血の気が引いたんだと思う。
体が小刻みに震え、手先がピリピリとしていた。
アイスコーヒーで喉は潤っている筈なのに、喉はひどくカラカラになっていた。
それでも、何とか声を出そうと思い、無理やり声を振り絞って父にこう返した。
「私、ここの家の子供じゃなかったんだ」
その言葉を口にした途端、その言葉がだんだんと染みのように広がってしまい、私は訳もわからず淡々と荷造りをはじめようとした。
子供ながらにここにいてはいけない。
私は他所の子だから
自分でも不思議なくらい、受け入れるのが早かったと思う。
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