祖父母

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暫く歩いていると初めて見る道が見えた。 こんな所に道なんてあったっけ?と思いつつ辺りを見渡してみる。 あ、ここの草、誰かが刈ったんだ… 前に来た時はここは草がボーボーでじいちゃんがボヤいていたっけ。 確かこの道の先には滝があってそこで川遊びや釣りも出来るってじいちゃんが言ってな… じゃあそこで時間を潰そうかな 5分くらい歩くと確かに小さな滝が見えてきた。 ああ。この位なら気持ちよさそうだし安全だ… きっと元気な私なら修行ごっことかして遊んでいただろうに。 ちょうど座れそうな所があったのでサンダルを脱いで綺麗な川に足をつけてみた。 ひゃっこい… …そのまま腰を掛け、ボーッと滝を見つめる…。 今頃学校に行ってたら20分休憩かな… お父さんお母さんは話し合い終わったのかな あと何日ここに居られるかな そんな事を思っても涙の1粒すら出ない自分の神経を自分で疑っていた。 こんな事でさえ私はできないんだ。 ちゃんと悲しいのに。哀しくてしょうがないのに… ただただ滝の音だけがあたりを包む中 膝を抱えながらボーッと流れる川を見ていた。 …帰ろう。ここは寒い 違うところで時間をつぶそう 川から出て少し足を乾かしてからサンダルを履きまた歩き出す。 ふと、じいちゃんが教えてくれた歌を思い出した 「 ~♪風の守り子運べ~♪ 空高く運べ~♪てふてふ花の子運べ~♪空高く運べ~♪」 ビューーーーーーーーーッッ 突然の突風に一瞬体がふらついた 危な… 私はすぐに体制を立て直した。 ?「ははは!ビックリしたな!都会っ子!」 「…え?」 声のした方へふりむくと そこには私より少し上のお兄ちゃんが立っていた。
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