日常

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私、岩見雪子は今年で三十路を迎える。 雪子というからには、冬生まれだと思われがちだが、両親は夏生まれの私に冬の名前をつけてしまった大変かわり者の強者で… 子供の頃は、夏生まれで雪子なんて溶けちゃうぞと男子からよくからかわれたりしたものだ。 そのたんびに両親に抗議するのだが… 父は幼い私に… 「かき氷と一緒で、直ぐに溶けてしまうからこそ大切にされる存在になってほしい」 と、言い 母は 「夏に雪なんて、アンバランスな魅力がいいのよ」 と、よくわからないことを言っていた。
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