第一章

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第一章

【胸の痛みにさよならを】 「これでいいんでしょ!?」  言いながら小林冴子は、受付カウンターの女の子に向かって投げつけるかの勢いで、会員カードをカウンターに投げつけた。瞬間、周囲の空気が凍った。自身の胸にもハッと痛みが走り、またやってしまったと自己反省しながら、冴子は投げつけた会員カードをそっと押さえ、言ってしまった。 「あぁ、ごめんなさいね、そういうつもりじゃなかったのよ。ただおばさんになるとどうしてもね。すぐにイラついたり、わかっているのに体がついてこないっていうかね──」  この言い訳も何回目だろう。自分で嫌だわと思いつつも、言葉は止まってくれなかった。 「次コースの更新費用、もう一度言っていただけます?」     
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