死闘!ギヌンガガップ!!

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死闘!ギヌンガガップ!!

「打ち砕いてやるぜ! 一縷の望みって奴をよ!!」 余裕しゃくしゃくの仮面が豹変し敵意がむき出しになった時、稀代の戦姫は千載一遇の機会だと確信した。どんなに賢くてどれほど経験を積んだ者でも滅ぶ運命に抗う能力はない。戦闘哲学は敵愾心の数だけあるのだろうが、どれも真実だ。それすらも唯一の黄金律に屈服する。 死だ。 強者にも弱者にも死は平等に与えられる。だが苦杯を嘗める段階から血で血を洗う戦いを切り抜け、築かれた屍の頂点に立つ人は、悲しいことにそこがオリンポス山だと錯覚してしまう。だから、最強を追い求める戦姫と魔女は魔王が墓穴を掘る瞬間を何年も待っていた。 ベルゼビュートが長広舌の間に稼いだ魔力を一気に開放するやいなや、戦姫は渾身の力を振り絞った。 弓がしなり、弦が鏑矢をはじく。そして、鋭く尖った先端部が悪魔の眉間に突き刺さった。 その直前まで思い上がった彼は自身の圧勝を微塵にも疑うことはなかった。もちろん、自分を褒め称える弁舌は絶好調だった。 「背伸びすれば崇高なる存在と並び立つことができる? 愚かな下等動物め」 それが彼にとって最後の自己紹介となるように魔女はありったけのパワーを注いだ。 「ぐはっ?!」     
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